こんにちは,呉市で相続に関する法律紛争の解決に取り組んでいる,弁護士の田奧です。

これから,この度の相続法改正によって変更,新設された制度を,このブログで紹介します。

 

令和元年7月1日から,遺産である預貯金債権について,遺産分割前に一部払い戻しを請求することができるようになりました。遺産分割前の払戻が可能な金額は,

 

相続開始時の預貯金債権の額(口座基準)×1/3×払戻を求める共同相続人の法定相続分

ただし,同一の金融機関に対する権利行使は,150万円が限度

 

となります。

この制度は,令和元年7月1日から施行されています。これ以前に発生した相続についても,権利行使がこの日以降であれば適用されます。

共同相続人の一人が,特別受益が多くて預貯金を承継することができないのに,権利を主張して遺産分割がまとまらない場合があります。そんな場合に,早期に遺産の預貯金を引き出す必要があれば,この制度を利用する意味があるかもしれません。

たおく法律事務所